キノー と ヴィクトルツォイ 伝説 KИНO & Виктор Цой

ソビエトの英雄的ロックバンドを日本語で紹介。このブログでは「キノー」及びボーカルの「ヴィクトル ツォイ」を研究していきます。

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【ヴィクトルとタバコ】

igra



cig

面白い文献を見つけたので、それを絡めてディスカスしてみる。
坂内徳明氏による「ロシアの喫煙文化研究―塚田富治氏に捧げるー」にヴィクトル・ツォイの名が一度出てくる。

その論文のセクション1より引用
『喫煙は年齢的ボーダーのみならず、通過すべき社会的ステータスの獲得を表現するテクストであるとして、ボグダーノフがあげるのは主にロシアを中心としたさまざまな事例である。それは慣用句や言い回し、諺にはじまり、現代のタバコを飲みながら友達を惚れさせるべく唱える呪文、現代のアニメ、子供の歌などの口承文学、夭折したロック歌手ヴィクトル・ツォイの歌詞にまでわたる。』

(おまけ部分)その呪文の例も当論文から引用すると
『1980年代末にモスクワ医学学校の女子学生から記録した呪文として、
「ツァーリ(主君)である煙よ」(マッチを吹き消す)
「どうか御加護を」(一服吸う)
「神の僕である[ここに相手の名]を惚れさせてください」(一服)
「かれが食事をしても食べ過ぎませんように」(一服)
「飲んでも飲み過ぎませんように」(一服)
「神の僕のもとへ」(一服)
「雌牛が雄牛のもとへ向かうように」(一服)
「雌鴨が雄鴨のもとへ向かうように」(一服)
「私の言葉が意思よりも固くなりますように」(一服)
「アーメン」(一服)「アーメン」(一服)「アーメン」(一服)』

ヴィクトルの歌詞とは、おそらく[一箱のタバコ]の事であろう。
その歌詞といえば
「でももし一箱のタバコがポケットにあったなら
 今日はそれ程悪くはならない
 そして銀色の翼をもった飛行機のチケット
 それは陰だけを残し
 飛んで行く」
というものだが、意味としてみれば、「タバコがポケットにあれば、それで全ては大丈夫」のような事。今現在の時代にタバコを擁護するような態勢はあまり好ましくないが、当時の事として考えるとそれなりに大きな存在であったのだろう。

ロシアにタバコが伝わったのには二通りの見解がある。
一つ目は西洋にタバコが伝わったのはアメリカの原住民インディアンから15世紀末のコロンブスによってだが、それには医薬的効能で伝えられ、一時は上階級のたしなみとしても扱われた。ロシアのタバコ文化は16世紀末に浸透し、イワン雷帝時代に独占権を持っていたイギリス人の手によって広まったが、教会や権力に弾圧されるようになり、また衰退した。
その理由は火事の原因や、アルコールとのアナロジー、魔術的な民間薬を思わせる麻酔作用、等だが、16-7世紀のロシアにとって外国人は常に排他的で敵視されていたのも大きな要因の一つ。

もう一つの見解は近年になってアジア経由で伝わったと考える者もいる。
インドではガンジャという大麻タバコは古くから存在するし、ペルシャ、中央・北アジアではコロンブス以前から大陸に流布していたとある。
ロシアと接しているカザフスタン経由であれ、モンゴル経由であれ少なからず交流していたという仮説は可能だろう。ロシアの西側では知られていなかったかも知れないが、ルーシ族の比較的分布率の低い東側には伝わっていたのかも知れない。(詳しくはまだ調べていないけど・・・)

西洋文化の多くはキリスト教に多く影響を受けている為に、他の宗教を嫌う傾向があった。環太平洋に多く分布するシャーマニズムや、アフリカの呪術、それらに蔓延った喫煙文化も多くはキリスト教以外の宗教と密接に関係している為に、あまり受け入れられなかった。しかし、ニコチンの名の由来でもあるジャン・ニコがタバコが頭痛治療に効果があると広めた為に医学手段として定着したのでキリスト教圏にも広まった。

で、まぁーーヴィクトルがタバコを吸っていたワケは結局良く分からんが、ハードボイルドという一点ではそのシンボル価値を生み出している。映画「イグラ」のラストシーンで雪の夜道にタバコに火をつけ、敵に刺される場面がある。と同時にキノーの曲「グルーパー・グルーヴ」が流れる部分には彼とタバコのシンボルが生きている。
あってもなくてもいいのだが、タバコが無ければ[一箱のタバコ]という歌は存在しなかった事は確かで、彼はタバコが好きだったというぐらいしか今回は分かりませんでした。

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  1. 2007/05/09(水) 01:16:22|
  2. 考慮
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

ツォイは死なかった、ちょっとたばこをすいに出た。
  1. 2008/08/04(月) 15:03:14 |
  2. URL |
  3. ドミトリ #-
  4. [ 編集]

「息子は15歳からタバコを吸いだした。サーシャ(孫、すなわちツォイの息子)なんか18からだったというのに。で、自分でフィルター付きのを買うようになった。」

「まあ仕方ない、人生にはものの試しに必要なんてこともあろう。ちょうど歌への希望が敷かれ出した頃だった。まるで嫌がらせみたいに成長期の声変わりがはじまった。」

                                         ツォイの母の述懐から
  1. 2008/08/31(日) 16:09:31 |
  2. URL |
  3. BUN #-
  4. [ 編集]

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